会社を解散する際の銀行口座の取り扱いについて

会社を解散すると、さまざまな手続きを進める必要がありますが、意外と見落としがちなのが 「銀行口座の取り扱い」 です。
解散後、会社名義の銀行口座はどうなるのか? いつ解約すればいいのか? この記事では、初心者でも分かりやすく解説します。

1. 会社の銀行口座は解散後すぐに解約できる?

→ いいえ、すぐには解約しません!

会社を解散すると、すぐに口座を閉じたくなるかもしれませんが、解散後も法人の銀行口座は一定期間利用する場合があります。
理由は以下のとおりです。

・解散後も支払いが発生するため

  • 未払いの請求書の支払い
  • 従業員の給与や退職金の振込
  • 税金(法人税や消費税など)の納付

清算業務が終わるまでは会社としての取引が続くため

  • 取引先からの入金がある可能性
  • 余った資産の整理
  • 最後の税務申告の納税手続きや税金の還付

つまり、解散後も銀行口座はしばらく使う可能性がある場合、すぐに解約はしません。

2. 会社解散後の銀行口座の流れ

会社の銀行口座は、次のような流れで取り扱います。

時期 銀行口座の取り扱い
① 解散後 口座はそのまま維持する
② 清算事務中 取引の精算や税金の支払いのため、引き続き口座を使用
③ 清算結了後(法人格消滅) 会社名義の口座を解約する

解散すると法人は「清算会社」となり、最後の清算業務(財産の処理、未払金の支払い、税金の納付など)が終わるまで 口座を維持 します。
そして、すべての手続きが完了し、清算結了登記が完了したら口座を解約 します。

3. 会社の銀行口座を解約する方法

銀行口座を解約するには、次のような手続きが必要です。

① 銀行に確認する

解散後、取引銀行に連絡して解約の際の必要書類を確認します
銀行によって必要な書類が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

② 必要書類を準備する

一般的に、口座解約には以下の書類が必要です。

・法人の登記簿謄本(閉鎖事項証明書)
→ 法人が解散・清算結了したことを証明する書類

・口座の通帳・キャッシュカード
→ 法人名義の銀行口座に関連するもの

・代表者の本人確認書類(免許証・マイナンバーカードなど)

・銀行所定の解約届(銀行によって異なる)

これらを銀行に提出すれば、会社の口座は解約されます。

4. 会社の銀行口座を解約する際の注意点

会社の銀行口座を解約する際は、次のポイントに注意しましょう。

残高が残っていると解約できない!

  • 口座にお金が残っている場合は、事前に引き出しておく必要があります。
  • 余ったお金は、清算後に株主へ分配するのが一般的です。

口座の自動引き落としに注意!

  • 解散後も口座から自動引き落とし(光熱費、税金、リース料など)が設定されている場合があります。
  • すべての支払いを完了させてから口座を解約しましょう。

会社名義のクレジットカードも忘れずに解約!

  • 会社の銀行口座と紐づいているクレジットカードがある場合、口座解約前にカードも解約 しましょう。

銀行によっては手続きに時間がかかる

  • 解散・清算結了の証明が必要 なため、口座解約には時間がかかることがあります。
  • 銀行の窓口での手続きが必要なのか、あるいは郵送で手続きが可能なのかも事前に確認 しておくとスムーズに進みます。

5. 会社の銀行口座を解約しないとどうなる?

銀行によっては口座が凍結される
→ 会社の解散・清算結了が登記されると、銀行が自動的に口座を凍結する場合があります。

未解約の口座が悪用されるリスク
→ 解散した法人の口座が第三者に悪用される可能性があるため、解散後は解約することをオススメします

会社名義の口座は相続できない
→ 法人の口座は、個人の口座と違って相続できません。会社がなくなった後も放置すると、口座に残っているお金を引き出せなくなることもあります。

6. まとめ:銀行口座の解約は清算結了後に!

会社を解散しても、銀行口座はすぐに解約せず、清算業務が終わるまでは維持するのがポイント です。
解散後の口座の扱いは、以下の流れで進めるとスムーズです。

  1. 解散後もしばらく口座を維持する(清算業務・税金の支払いがあるため)
  2. 清算が完了したら銀行に連絡する
  3. 必要書類を準備し、銀行口座を解約する
  4. 口座残高や自動引き落としに注意する

適切なタイミングで解約を進め、スムーズに解散手続きを完了させましょう!